TsuKuBa 年史-TsuKuBa History -

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IEEE802.11a準拠イーサネットワイヤレスアクセス(EWA)

2002年(平成14年)

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公衆無線LANサービスにおいて、5GHz帯の高速無線LAN規格 IEEE 802.11aを適用した通信機能を移動端末が利用できるようにするため、アクセスサービスシステム研究所では、PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)カードに実装可能な小型、低消費電力のチップセットを世界で初めて開発しました(図)。このチップセットではMAC(Media Access Control)制御処理をPC側のCPUに頼っていたものを、制御処理用CPUまで含めて1チップ化したことでPC側に負担をかけない装置構成が可能となりました。これにより、ストリーミング再生など、PCに負荷のかかるコンテンツ閲覧時でもPCの能力をフルに活用できるようになりました。また、LSI化によって低消費電力も実現されました。
なお、このチップセットは、NTTコミュニケーションズの「ホットスポット」サービスのアクセスポイントに適用されました。
さらに普及施策と並行し、NTT開発機器の差異化を図る技術として以下の2つのソフトウェアを開発し、NTT事業会社に成果提供しました。

  1. Anywhere LAN access(ALAN)
    「Anywhere LAN access」は、IPアドレス等のネットワーク設定を変更することなく、またユーザは特別な操作をすることなく、無線LAN端末のサブネットを越えたシームレスかつ広域な移動を実現します。IPのみならずマルチプロトコル、DHCPクライアントにも対応しています。当研究所内各ロケーション(つくば、幕張、横須賀、武蔵野)間でトライアル運用を実施しました。

  2. トラヒック制御ソフトウェア
    特定のアクセスポイントにトラヒックが集中することを防止し、トラヒックを分散します。また、基地局ごと(周波数ごと)のトラヒック状況を監視および制御し、指定したトラヒックフローの速度保証を行います。実トラヒックを集中的に把握し、トラヒックを平準化、負荷分散する機能、アクセスポイント配下の帰属端末情報を自動的に収集し、通過トラヒックを基地局ごとに計測し輻輳を個別に検出する機能を有しています。

無線端末(子機)の回路構成

図 無線端末(子機)の回路構成

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