光アクセス線路は、所外光スプリッタ(Splitter)を用いて光ファイバを複数のお客さまで共用するPassive Optical Network(PON)システムが採用されています。工事の際、光ファイバを対照するために通信ビルから試験光を送信しています。スプリッタ下部区間では、試験光が等しく分岐されるため光ファイバ心線対照ができません。
そこで、ユーザ宅に設置したOptical Network Unit(ONU)から出力される光信号を用いた心線対照技術を新たに開発しました。本技術は、光ファイバ心線を緩やかに曲げ、その曲げ部からONUからの上り光を意図的に漏洩させます。その漏洩光中にはイーサネットフレームが含まれており、そのフレームを解析することでONUに割り振られているMedia Access Control address(MACアドレス)を表示します。2018年は3号クロージャのみをターゲットにしておりましたが、2019年は1号から3号クロージャに配線されている光ファイバを1台の装置で対応できる技術を確立しました。本技術は、通信を止めることがないため、お客さまのサービスに影響を与えることなく実施できます。
工事現場ではサービスオーダで指定されたスプリッタ下部の心線が誤っていることがあるため、どの心線がどのお客さまに接続しているかを現地にて確認することができれば、バックオーダを減らすことができると考えております。