TsuKuBa 年史-TsuKuBa History -

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周波数多重型コヒーレントOTDR (FDM-OTDR)

2014年(平成26年)

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最近の海底光システムは無中継伝送距離や光増幅中継間隔の長延化が図られており、このような海底光システムの評価に用いられる光コヒーレント時間領域反射計(C-OTDR)†は,非常に多くの平均化処理を行って信号の信号対雑音比を改善する必要があり,測定時間が数時間に及ぶこともありました。そこで、非常に高速な海底光ケーブルの評価手段として、C-OTDRよりもさらに高感度な光周波数多重型コヒーレントOTDR(FDM-OTDR)を2014年に開発しました。

従来用いられていた単一周波数光パルスの代わりに、周波数符号を付与した光パルス(光周波数コードパルス列)を用いて、一回の光入射で同時に数十~数百もの測定結果を同時に取得することができるため、平均化処理に必要な時間を数十~数百分の1とすることができます(図)。開発技術には、周波数符号同士の干渉によって発生するクロストークの影響を限りなく小さくする工夫がなされており、従来のC-OTDRと同等の距離分解能等の性能を維持したまま、非常に高速な試験を実現することができます。

周波数多重型コヒーレントOTDRの概要

図 周波数多重型コヒーレントOTDRの概要

これにより、海底光システム建設時の試験工程短縮、稼働負担軽減や故障時の迅速な故障探索が可能となります。

†:光受信器のショット雑音限界に近い高感度な光時間領域反射計(OTDR)。主に長距離、海底光ケーブルの損失分布評価、故障位置探索に用いられている技術。

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