切替工事においては、お客様の利用状況を確認することで、サービス中断を回避する必要があります(図)。
FTTH(GE-PON)では、複数のお客様宅内のONU(Optical Network Unit:光加入者線終端装置)とNTTビル内のOLT(Optical Line Terminal:光加入者線端局装置)間で通信が行われます。
FTTH区間通信モニタは、NTTビル内のIDM(Integrated Distribution Module:光ケーブル配線架)に設置されているIDMカプラ、もしくはFTM(Fiber Terminating Module:光配線モジュール)に設置されているFTM分岐モジュールの試験用ポートからモニタして、通話中確認情報を得るものです(図)。
モニタ装置は、ONUからの上り信号フレームMPCP(Multi-Point Control Protocol)をモニタし、フレームの最初の部分にある各ONUに割り当てられたLLID(Logical Link ID)という識別子を検出します。
検出したMPCPフレームをLLID(ONU)ごとにカウントし、事前に設定したしきい値以上を検出した場合には、そのONUはOLTとの間でリンクが確立されていると判断し、しきい値未満の場合はリンクが確立されていないと判断します。
リンク確立と判断したMPCPフレームから各ONUのMACアドレスとLLIDのテーブルを作成し、そのフレーム内の同じ優先度のデータフレームを事前に設定したしきい値以上を検出した場合、該当するLLID(ONU)のお客様はサービス利用中と判断します。しきい値未満ではサービス未使用と判断します。
以上により、各ONU・サービス対応の使用状況を得ることができます。
このシステムは、2009年より実際の切替工事に使用されています。