光ファイバの接続ではファイバ端面が鏡面であることが必要であり、そのために端面をファイバカッタで切断して鏡面を作ります。しかしながら、従来のファイバカッタは摩耗や不具合により切断性能が劣化すると接続に適しない不良なファイバ切断面が発生する恐れがありました。特にファイバ切断面の確認を行なわない現場組立コネクタの施工では、不良な切断面により通信障害が生じる恐れがあります。そこで、切断原理の変更により、カッタに不具合が生じた場合にファイバが切れなくなる特徴を持つフェールセーフファイバ切断技術を現場組立コネクタ向けに開発しました(図1)。
光ファイバの切断ではファイバの側面に傷を入れ、力を加えて切断します。フェールセーフファイバ切断技術では以下の3つの工夫によりファイバカッタに不具合が生じた場合にファイバが切れなくなる特徴を実現しています(図2)。
- 従来のファイバカッタはファイバを曲げて切断しますが、この方法では切断面に突起を生じる恐れがあります。本技術では突起を生じないよう引張り力で切断します。
- 従来のファイバカッタはファイバが切れるまで曲げを強くしていきますが、ファイバに加わる力が強すぎるとファイバが砕けてしまいます。本技術ではバネでファイバに力を加えることで一定以上の力が加わらない機構としています。
- 従来のファイバカッタは金属の刃で傷を入れており、刃の位置が狂うと傷の深さが変ってしまいます。本技術ではダイヤモンド砥粒を使用した刃を新開発し、刃の位置に依らず一定の深さの傷を入れています。 0l>
開発したフェールセーフファイバ切断技術を採用したファイバカッタを現場組立コネクタの施工に用いることでファイバ切断面不良による接続点故障を無くすことが期待できます。また、従来のファイバカッタの使用回数が減るため、メンテナンス稼働の削減が期待できます。