TsuKuBa 年史-TsuKuBa History -

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世界最高密度のマルチコア光ファイバ

2016年(平成28年)

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将来の大容量伝送基盤の実現に向け、従来の光ファイバの100倍以上の伝送能力を有する光ファイバを、実用に耐え得る信頼性で実現しました。
NTT持株会社ニュースリリースはこちら:https://group.ntt/jp/newsrelease/2016/05/16/160516a.html

(1) 研究の背景
2020年代の後半から2030年代には、現在の光ファイバで対応可能な通信容量を超える需要が発生すると考えられており、1本の光ファイバ内に複数のコア(光の通り道)を多重したマルチコア光ファイバ(MCF: Multi-Core Fiber)や、1つのコア内を伝搬する光の種類(モード)を複数化した数モード光ファイバ(FMF: Few Mode Fiber)の研究が進められています(図1)。しかし、コア多重またはモード多重のいずれか一方で50を超える多重数を実現することは難しく、また、コア数の増大に伴い光ファイバの曲げ破断が顕著になるといった問題がありました。

コア多重およびモード多重を用いた光ファイバのイメージ

図1 コア多重およびモード多重を用いた光ファイバのイメージ

(2) 世界最高密度の光ファイバ
既存の光ケーブル構造を用い十分な信頼性を実現するためには、光ファイバの直径を250μm以下に制限する必要があります。1コアあたりのモード多重数とコア配列の関係を最適化した結果、6個のモードを伝搬可能なコアを三角格子状に19個配列することで、250μm未満の光ファイバ直径に世界最高となる114(=6×19)の多重数を実現できることを明らかにしました(図2)。実際に作製した光ファイバ(図3)を用い、114全ての光の通り道で既存の光ファイバと同等の大容量伝送が行えることを確認しました。

光ファイバ直径と多重数の関係 作製した光ファイバ

図2 光ファイバ直径と多重数の関係

図3 作製した光ファイバ

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