1995年の阪神・淡路大震災において多くの橋梁が被災したことを教訓に、橋梁の耐震対策として免震化が行われていますが、既存の橋梁添架設備は温度伸縮や地震動を見込んで伸縮構造を採用しているものの、免震支承の変形までは見込んでおらず、大地震時に管路および収容ケーブルが損傷するおそれがありました。
そこで、アクセスサービスシステム研究所では、免震橋梁の地震時の挙動を分析して、橋梁添架設備に必要とされる変形性能を明確にしたうえで、市中の管材を利用して、大変位に対応可能で経済的な工法を試作しました。
この対策工法としては、橋軸直角方向および橋軸方向への大変位に対応可能な工法を検討し、図に示すように波付硬質ポリエチレン管(可とう管)と大変位に追従可能な伸縮構造をとりました。
さらに、スリット入波付硬質ポリエチレン管を使用することで既存橋梁(ケーブル収容管)への対策が可能な工法も試作しました。
また、試作モデルに対して、橋軸方向および橋軸直角方向の一軸振動試験、実地振動による性能評価試験を行い、対策工法では、伸縮構造が機能し、大変位に対して管材の損傷や収容ケーブルの障害は発生しないことが確認できました。