点検データの統計解析により劣化推定モデルを構築し、劣化特性に応じたグループ化を実施することで点検稼動の低減を図る技術について紹介します。
(1) 開発の背景
車道設置マンホール鉄蓋の劣化の遅速は設置環境等により大きく異なりますが、現在は全設備一律5年周期で点検しています。そのため、マンホール設備の劣化の特性に応じた維持管理の適正化が求められています。
(2) 技術の概要
点検データ(摩耗量・点検実施年等)、設備の諸元(鉄蓋種類・鉄蓋形等),設置環境データ(占用場所・官民区分等)を用い、劣化の早い鉄蓋(摩耗速度 0.1mm/年以上)と相関のある条件の組合せを抽出し、劣化推定モデルを構築しました。
劣化推定モデルを基に劣化リスクの高い順に点検を行うことで、従来の70%の点検数で劣化の早い鉄蓋の99%以上を発見できる結果が得られたため、残りの30%を劣化しにくいグループと定義し、点検周期を劣化進行に合わせた10年に設定することで、点検稼動の低減を図る技術を開発しました。
また、摩耗に関する劣化リスクを数値化することで、危険性が高い鉄蓋から優先的に点検を行うことで不良設備の早期発見が可能となりました。