レジンコンクリートマンホールについて材料特性を明らかにし、マンホールサイズ毎の維持管理基準を制定及び精密点検基準策定と補強工法について紹介します。
(1) 開発の背景
NTTのマンホールは鉄筋コンクリート製とレジンコンクリート製があり、現在は軽量かつプレキャストで施工可能なレジンコンクリートマンホールを多く適用しています。
コンクリート構造物は、材料強度特性を基に維持管理を行う必要がありますが、レジンコンクリートマンホールにおいて材料強度特性が明らかになっておりませんでした。
今後、レジンコンクリートマンホールも建設から50年経過を迎えることから維持管理手法の早期確立が求められています。
(2) 技術の概要
現場サンプル、室内実験から得た水の拡散速度により土壌温度と経過年から強度低下を求める強度推定曲線の導出に初めて成功しました。
強度低下シミュレーションの解析、実物大マンホールの載荷試験を通じて、マンホール号数毎に供用限界となるひび割れ発生強度を特定しました。また、レジン材料の強度推定曲線と実験結果より、限界強度に安全率を考慮したとしても、最低50年間使用可能であることが判明しました。50年を精密点検基準とし、順次精密点検※を行い、補強要否を判断します。(S-4MHの場合)
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図2 レジンコンクリートの材料強度推定曲線 |
図3 レジンコンクリートの精密点検時期の特定 |
マンホール下床版及び側壁下部に応力が集中するため応力の分散を図ることでひび割れを抑制する部分補強工法を開発しました。これにより長期間の運用が可能となります。
本工法は部分的に補強を行うため、ケーブル移設が不要であり、補強部材も軽量コンパクトで搬入が容易であり狭隘箇所でも施工可能です。