タブレットPCを活用した劣化部位計測技術
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タブレットPCで撮影した画像を画面上でなぞるだけで劣化の長さや面積を計測でき、簡便・高精度な点検を可能とする設備点検ツール「Tab-scale(タ・すけーる)」について紹介します。
(1) 開発の背景
とう道をはじめとするNTT基盤設備の劣化を点検する手段は、スケールを用いた計測、目視による判定が主流であり、計測結果を紙へ記入し、データベースへ投入・管理しています。しかしながら、従来の点検では点検作業者の主観に左右されることがあり、精密さに欠けることや、高所に発生した劣化など直接計測が困難な事例では定量データの取得に時間を要するなどの課題がありました。そこで、AS研では点検業務における計測稼働の削減や点検品質の維持・向上を目的に、点検現場への導入が進められているタブレットPCを活用した簡便・高精度の劣化部位計測技術を開発しました。
図1 従来技術と開発技術との比較
(2) 技術の概要
本技術は、タブレットPCと一般的なレーザーポインタを搭載した光点出力装置から成り、他の市中技術よりも安価かつ簡便な構成での計測を実現しました。タブレットPCで撮影した画像に光点で長さ情報を付与することで、画面上を「なぞる」だけで劣化の長さや幅、面積を高精度に計測できます。図2にとう道での点検の流れを示します。計測結果は、記録画像・劣化サイズ情報とともにタブレットPC内に保存されるため、必要に応じて記録画像から再計測が可能です。
図2 とう道点検における運用イメージ