本技術は、デジタルカメラで撮影したマンホール鉄蓋の画像から、段差箇所を自動的に検知し、最大段差の位置と段差量を計測するものです。
(1) 開発の背景
NTTが行う鉄蓋の点検項目のひとつが、鉄蓋の段差点検です。NTTの鉄蓋は図1に示すように、上蓋と受枠によって構成されていますが、走行車両の影響等により、上蓋と受枠が摩耗すると段差が生じます。この段差量が大きくなると、車両通行時に蓋飛び等の事故につながる恐れがあるため、段差を早期に発見して、補修或いは更改を施すことが重要です。
現在、鉄蓋の段差を点検する手段は路上に保安施設を設置し、安全を確保しながら、ノギス等を用いてその段差量を計測しています(図2)。しかし、保安施設を設置するための道路使用許可の申請に手間と時間を要す上に、点検者は道路上での作業となるため、安全性の確保が課題となっています。
(2) 開発技術の概要
現場作業の効率性と点検作業の安全性の向上を目的として、鉄蓋を歩道からデジタルカメラで撮影し、その撮影画像に写り込んだ鉄蓋の最大段差量を自動的に計測する画像解析技術を開発しました。図3は本技術を用いた際の、段差点検作業のイメージですが、点検者は安全に鉄蓋の段差を計測することができます。
本技術の推奨する撮影機器の仕様と撮影条件を図4にまとめます。推奨する撮影機器は一眼レフデジタルカメラであり、10m離れた位置で撮影した画像においても、0.2mm精度での段差計測が可能となります。
本技術により、鉄蓋の段差点検にかかる稼働の75%を削減できる効果が期待されます。
図1 マンホール鉄蓋の構成 |
図2 マンホール鉄蓋の段差点検 |
図3 デジタルカメラ画像を用いて段差計測のイメージ |
図4 撮影機器の仕様と撮影条件 |