アクセスサービスシステム研究所では、2001年に、アラミド樹脂シートを用いたコンクリート電柱の補強技術を開発しましたが、アラミドシート補強技術では地際部の掘削が必要であるため、新たに地際部の掘削ができない場所でも適用が可能な、アラミド繊維ロッドを用いた中空充填補強技術を開発しました(図)。
アラミド繊維ロッドはアラミド繊維を組紐状に編み、エポキシ樹脂で硬化したコンクリート用の補強筋および緊張材で、従来の鉄筋に比べ運搬、組み立てが容易です。
このアラミド繊維ロッドによる内部補強とアラミド繊維シートによる外部補強を組み合わせることにより、補強範囲の強度を確保する、最適な補強強度設計技術を確立しました。
また、補強範囲の上下に定着長を設けることで、アラミド繊維の持つ力を最大限発揮できる最適な補強技術を実現しました。
この中空充填補強技術の開発により、掘削が不要な電柱補強技術を確立しました。
これにより、電柱建替と比較し約40%程度のコスト低減を可能にしました。