現在、東京都心部におけるNTTビル前の多くのとう道ではケーブル収容率が80%を超えており、ケーブル輻輳や行き詰まりが多く発生しています。
FTTH・ADSLサービスへの対応や他事業者への相互接続約款による義務的提供といったNTT事業会社のサービス動向、周囲状況から、今後もとう道内に布設されるケーブルは増加していくものとみられ、さらにケーブル輻輳と行き詰まりが進展することが予想されます。
このとう道内には、災害などから通信設備を守ることを目的に防災壁が設置されています。
上記のような状況を踏まえ、アクセスサービスシステム研究所では、本来の防災壁の機能を損なうことなく多条布設(1条の管路に2条以上のケーブルを布設すること)を可能とする、多条収容止水装置の開発を行いました。
開発した多条収容止水装置では、既存のNTT技術である、お客様ビルへの引き込み管路で使用されるビルアクセス管路用止水栓をベースに、
(1)とう道に対応した耐水圧、(2)施工環境や状況に影響されない均一な止水品質、(3)設置・撤去が容易な作業性、(4)既設ダクトへの適用を実現しました。
また多様な外径のケーブルを収容するため、同心円状の多層構造を持つケーブルアダプタを用意しました。止水装置の概要および主要諸元を図に示します。
本技術は、2002年度に事業導入されました。