研究所では、レイヤ2ネットワーク上で、高優先トラヒックの低遅延を保証しながら、低優先トラヒックを高効率収容可能な技術を確立しました。
※報道発表 https://group.ntt/jp/newsrelease/2021/05/27/210527a.html
(1) 研究背景 現状の広域アクセスネットワークでは、有線/Wi-Fi含むサービスを収容していますが、他サービスも混在収容することで、さらなる効率化・経済化が期待されます。他サービスの例として、モバイルネットワークにおける、集約基地局とリモート局間のモバイルフロントホール(Mobile Fronthaul: MFH)が挙げられます。MFHはこれまでPoint-to-Pointの光ファイバで接続されてきましたが、第5世代移動通信システム(5G)以降のMFHトラヒックはパケット化されており、ネットワーク装置による収容が可能です。ただし、図1のようにMFHトラヒックを混在収容する場合、MFHトラヒックは要求遅延が厳しいため、遅延保証が必須となります。
(2) 技術概要 研究所では、高優先トラヒックに対して低遅延保証をしながら、より多くの低優先トラヒックを収容する技術を確立しました。まず、周期的に到来する高優先トラヒックに対し、到来タイミングに合わせて予めタイムスロットを予約して割り当てます。これにより、低優先トラヒックとの衝突が回避され、低遅延な通信が実現されます。また、このタイムスロットの長さを周期ごとに最適化します。周期ごとに異なる高優先トラヒック量に合わせて、各タイムスロットを必要最小限の長さに調整することで、より多くの低優先トラヒックを収容します。