TsuKuBa 年史-TsuKuBa History -

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モバイルシステムと連携し低遅延通信を提供するインターフェースの国際標準化

2020年(令和二年)

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NTTはこれまで、第5世代以降のモバイルシステムの普及期において、モバイルシステムと連携することで基地局の収容に必要な光ファイバ数の削減に貢献できる低遅延光アクセス技術を検討してきましたが、その連携を行うために必要となるインターフェースを国際標準化しました。
標準化が完了したことで、今後本技術を採用できる光アクセス装置やモバイルシステムが広がっていき、第5世代以降のモバイルシステムがより経済的に提供されることが期待されます。

(1)背景
従来より、FTTH(Fiber to the home)に利用されるような光アクセスシステムの標準化はITU-TやIEEEで進められてきた一方、モバイルシステムの標準化は3GPPやO-RANなどの異なる標準化団体で行われてきたため、光アクセスシステムの装置仕様と、基地局の仕様が齟齬なく連携し、接続できるインターフェース仕様の標準化が必要でした。そこで、NTTはまず光アクセスシステムの標準化団体であるITU-Tで本技術の議論を進め、モバイルシステムの標準化を行っているO-RANにもリエゾン文書を出し、標準化団体間の連携を取りながら、標準化文書の制定を目指しました。

(2)標準化概要
ITU-Tでは、G.suppl.66という補足文書を作り、その中でモバイルシステムを光アクセスシステムで収容する際の要件や課題について整理が行われました。そして、各標準化団体での議論を経て、光アクセスシステムの通信タイミングを決定する機能については、CO-DBA(cooperative dynamic bandwidth assignment:連携DBA)という名前で、40Gbps以上の通信が可能な光アクセスシステムNG-PON2(next generation passive optical network 2)を規定しているITU-T G.989シリーズや、更なる高速化を狙うG.HSP(higher speed passive optical network)を規定するITU-T G.9804シリーズの文書に記載されました。また、光アクセスシステムと基地局の間のインターフェースについては、O-RANでCTI(Cooperative transport interface)というインターフェースを規定する文書が公開され、両装置間でやりとりするメッセージやプロトコルなどが記載されました。上記のITU-Tの文書からもORANの文書を参照する形で各標準化間での連携がとられています。

標準化されたインターフェースと装置との関係

図 標準化されたインターフェースと装置との関係

(3)今後の展開
今後も、5G以降のモバイルシステムを含む幅広い用途に対して効率的なネットワーク構築を支援するための研究開発を進めていきます。また、IOWN Global Forumにおける連携をはじめとして、引き続き世界各国の電気通信事業者および通信装置ベンダなどとのグローバルな議論・検討を進めていきます。

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