TsuKuBa 年史-TsuKuBa History -

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世界初、通信速度・光周波数帯域が伸縮自在なアクセス・メトロネットワークの実証実験に成功

2017年(平成29年)

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2030年以降のサービス多様化を見据えた、通信速度・光周波数帯域が伸縮自在なネットワークの先進的な研究として、「エラスティック光アグリゲーションネットワーク(EλAN*1:エラン)技術」の研究に取り組み、最大伝送距離40km、1波長当たりの最大通信速度10Gbit/s、最大収容端末数512を模擬した実験系において、伸縮自在な通信速度・光周波数帯域割当機能の実証に世界で初めて成功しました。

※報道発表 https://group.ntt/jp/newsrelease/2017/04/25/170425a.html

(1) 研究背景
FTTHサービスの普及に伴い、将来の光アクセスネットワークへの期待として、従来のFTTHサービスに加えてビジネス向け回線およびモバイル向けサービス、さらには高精細映像伝送サービスやIoTなど、様々なサービスの提供が求められることが想定されています。このようなマルチサービス収容を実現するためには、従来のようにサービス毎に独立したネットワークを構築するのではなく、一つのネットワークで様々なサービスを効率良く提供することが求められます。

EλANの概念図

図 EλANの概念図

(2) EλANの概要
EλANは、加入者に近いアクセス局舎に配置しているOLTを、メトロネットワークの回線を集線(アグリゲーション)するコアネットワークに近いメトロ局舎に配置し、加入者からメトロ局舎を光信号のまま伝送するネットワークです。また、EλANでは、光周波数の利用効率を向上する適応変復調*2を用いた直交波周波数分割多重(OFDM*3)伝送方式を用いながら、アクセス・メトロネットワークを光信号のまま伝送するネットワークであり、インターネット・ビジネス向け回線・モバイルなど複数のサービスで利用される異なる性質のトラフィックに対し、伸縮自在(エラスティック)な通信速度・光周波数帯域の割り当てを行うことができます。

今回の研究開発は、国立研究開発法人情報通信研究機構の委託研究課題「エラスティック光アグリゲーションネットワークの研究開発」を受託し、実施したものです。

<用語解説>
*1 EλAN:Elastic lambda Aggregation Networkの略。
*2 適応変復調:光伝送路の品質に応じて、最適な光信号パラメータ(変復調方式、変調速度、サブキャリア(副搬送波)数および搬送波光周波数など)を選択し適応する変復調技術です。
*3 OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing(直交波周波数分割多重)の略。複数の搬送波(サブキャリア)を周波数軸上にある条件を満して多重することで、サブキャリアの帯域が重なり合う状態で伝送しても、受信側で混ざらずに分離できるため、周波数利用効率が極めて高くなります。

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