NTT 常務執行役員
研究企画部門長
川添雄彦

ごあいさつ

これまで、情報通信技術は、生活を豊かに、ビジネスを便利にするために、デジタル化による高速化、汎用化、効率化を進めてきました。しかしながら、パンデミックのような未知なるリスクへの備え・拡大する格差・加速する分断が生じ、乗り越えるべき壁はいまだ存在しています。その解決のため人間が知覚できる情報の数値化だけではなく世界に存在する様々な価値、万物の多様性を幅広く取り込み、活用することで、新しい価値を生み出すこと、これが今後の持続可能な社会の発展に向けて求められていると考えています。

そのためには、いままで以上に強力な情報処理基盤が必要となります。既にインターネットの通信量は増加の一途をたどっており、残念ながら現在の情報処理基盤では、いずれ処理能力の限界を迎え、膨大なエネルギー消費などの問題も避けられません。絶え間ない人類の進歩のために、いままさに、限界打破のイノベーションが求められています。

そこでNTT R&Dは、環境にやさしい持続的な成長、多様性に寛容な個と全体の最適化を狙う未来のコミュニケーション基盤であるIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想を掲げました。光を中心とした革新的技術で超大容量・超低遅延・超低消費電力を特徴とした革新的なネットワーク・情報処理基盤です。

情報処理能力の増強によってデジタルツイン同士の相互作用やその長期的展望まで計算できるようになれば、より精度が高い未来予測が可能になり、さまざまな社会の課題を解決できると考えます。超強力な情報処理能力を活用して、幸福を瞬間的なものではなく、過去から未来までの積分値として捉え、社会全体としての包括的、持続的な幸福を追求したいと思います。

NTTのR&Dは、このIOWN 構想の実現とともに、今後も研究テーマの多様性・継続性を大切に、NTTグループの各事業会社をはじめ、さまざまな分野の産業界の方々と一緒に、さまざまな社会的課題を解決し、人々が意識することなく技術の恩恵を受けることができるスマートな世界の実現をめざし、世界を変革する技術の研究開発を続けていきます。