更新日:2024/08/09
本特集では、2024年5月16~17日に「新たな価値創造へ持続可能な社会を支えるアクセスネットワークへの挑戦」をテーマに開催された「つくばフォーラム2024」で発表されたIOWN (Innovative Optical and Wireless Network)の実用化に向けた取り組み、および最新のアクセスネットワーク技術について紹介する。
人と地球にやさしい社会インフラで実現する"Social Well-being"
生成AI(人工知能)の登場に伴い、世の中が便利になっていく一方、電力消費は増大し、環境問題は深刻化しています。マーケットインの視点で多様化したニーズにパーソナライズしながら、省エネテクノロジ、IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)アクセスネットワークを新たな産業社会インフラとすることで、地球にも人にも優しい"Social Well-being"が実現できるのではないかと考えます。本稿は、つくばフォーラム2024での基調講演の内容をダイジェストにしたものです。
新たな価値創造へ 持続可能な社会を支えるアクセスネットワーク技術
NTTアクセスサービスシステム研究所は、お客さまとNTTビルを結ぶアクセスネットワークに関する研究開発を行っています。その中で、新たな価値創造と地球のサステナビリティに向けたIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想の具現化を加速する、サービスの多様化、運用のスマート化、新ビジネス領域を開拓する最新のアクセスネットワーク技術の研究開発成果を推進しています。本稿ではこれらの最新技術を紹介します。
IOWN時代のアクセスネットワークを実現する研究開発の取り組み
NTTアクセスサービスシステム研究所(AS研)は、線路・土木・伝送・無線・オペレーションの各技術分野で、アクセスネットワーク(NW)を支える研究開発を行っています。2030年ごろに本格的な展開をめざすIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想について、構想から実現へ向けて具体化を加速させる段階へと進めるため、私たちが思い描く将来のアクセスNW像と、それを実現するための取り組みについて紹介します。
次世代光ファイバ設備技術の研究開発の取り組み
NTTアクセスサービスシステム研究所では通信ネットワークの持続的発展に寄与する光ファイバ設備技術の研究開発を推進しています。本稿では、IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想の3要素の1つであるオールフォトニクス・ネットワーク(APN:All-Photonics Network)の実現に向けた大容量化・高度化に資する光ファイバ設備、労働人口減少や通信サービスの多様化および環境負荷低減といった社会の変化・要請に対応する光ファイバ設備の研究開発の取り組みについて概説します。
豊かな社会生活の実現を支えるワイヤレス技術
NTT研究所では、6G(第6世代移動通信システム)/IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)時代に向けて、無線端末・無線方式・利用アプリケーション・利用形態の多様化に伴うさまざまな要件に対応する無線通信技術の研究開発に取り組んでいます。本稿では、プロダクトとして具現化した技術群であるマルチ無線プロアクティブ制御技術(Cradio®:クレイディオ)と、さらなる高度化に向けた研究開発技術について紹介します。