11.アディティブ・
マニュファク
チュアリング

異素材を融合し、複雑かつ多様な形状を実現するデバイス

アディティブ・マニュファクチュアリングというと3Dプリンターを活用したパーツや商品の製造を思い浮かべる人も多いかも知れませんが、その「製造」が意味するところはこれまでとは比較にならないほど広い範囲へ広がっています。世界的に見ても新たな素材や製造手法の追求は進んでおり、ナノスケール3Dプリンティングと呼ばれるように極めて小さなものをプリントするなどの技術がつぎつぎと登場しています

わたしたちは、アディティブ・マニュファクチュアリングの発展によって今後「生体デバイスのパーソナライズ」「光電融合デバイスの進化」「ナノレベルにおける究極の製造技術の実現」という3 つの変化が生じるはずだと考えています。生体デバイスにおいては、細胞や生体分子を“インク”として出力し、人工血管や人工関節、人工角膜や人工心臓さえも生成できるようになることが期待されています。ただ臓器や骨をつくるだけでなく人工神経ネットワーク作製技術の開発も進んでおり、身体のシステムそのものを人工的に再現できる日が近づきつつあります。こうした生体デバイスは今後再生医療のキーテクノロジーとなることが期待されており、一人ひとりに合わせて最適な医療を提供するうえでも重要な存在となるでしょう。

また、さまざまな先端材料を掛け合わせる異種材料融合デバイス製造技術によって、これまでは製造できなかった高度かつ複雑な光電融合型デバイスも製造可能に。「職人」の知見に頼らないデータ駆動型プロセスインフォマティクス/マテリアルズインフォマティクスが組み合わされば、高度な光デバイスによる消費電力の飛躍的削減も実現し、サステナブルなネットワーク構築へとつながっていくでしょう。

より長期的な視点では、原子の配列を三次元的に制御する技術や原子の直接操作を可能とする製造技術の創成にも取り組んでいきます。複雑かつ多様な形状・材料からなるデバイスを実現することで、「サステナブルなネットワーク」の構築のみならず、わたしたちにとっての「身体」や「医療」の概念も大きく変わっていくかもしれません。

注目のトピック
グラフェンと
パリレンによる
人工神経ネットワーク
グラフェンとパリレンによる
人工神経ネットワーク

従来人工的な神経ネットワークなどの生体試料の構造物は脆弱で壊れやすく、そのままでは成形やハンドリングなど精密な操作は困難だといわれていました。そこでわたしたちは長年研究してきたナノ材料のグラフェンとパリレンを使って微細な三次元構造を組み立てることに成功。この構造体を“ 鋳型” として微小な神経組織様構造を人工的に再構成することで、構造体内外にてネットワーク形成を行い、細胞間相互作用を示すことを確認しました。

  • キーワード
  • 異種材料融合デバイス製造技術
  • 多積層化技術
  • 積層高速化技術
  • 4D プリンティング