5.情報処理基盤

クラウドセントリックから
フィジタルデータセントリックへ

スマートな世界のインフラとなる次世代情報処理基盤の重要性が年々高まっており、映像や各種センサからの情報をもとにしたシステム制御により、さまざまな分野でヒトの能力を超えた最適な行動選択や未来予測の実現が期待されています。しかし、実現のために必要なデータ処理への要求は急激に変化しており、既存の情報処理基盤では実現が難しくなりつつあります。 また、これらを支えるインフラの超低消費電力化も持続可能な社会をめざすうえで考慮していかなければなりません。

そこでわたしたちは、従来の情報処理基盤の限界を超え、現実空間の膨大なデータをきわめて低遅延で処理可能な技術に挑戦しています。これまでは分散コンピューティングなどの技術によって高性能化を進めてきましたが、さらに高度な技術の確立に向けて、データ中心の情報処理基盤、それを支える多地点・超高速・低遅延を特徴とする新たなコンピューティング技術、ならびに光通信デバイスの活用によるエネルギー効率向上などから構成される技術ロードマップを描いています。現在進んでいるクラウド中心の次の世界を想定したデータセントリックコンピューティング技術や、さまざまな計算機リソースを低遅延の光デバイス技術で統合的につなぐことにより、柔軟にスケーラブルな演算能力を提供するディスアグリゲーテッドコンピューティング技術などを IOWN 構想に取りこんでいくことで、ナチュラルなサイバー空間の創造を加速していきます。

将来的には、さまざまなデータを高速低遅延につなぐデータハブを通じて多数の端末やノードの間の連携が加速され、複数の AI サービスを組み合わせて新しいサービスをつくるようなマッシュアップ型開発も可能になるでしょう。多数のAI システムの協調により、社会規模の全体最適化や大規模シミュレーションを通じた未来予測の実現をめざします。

わたしたちがいまめざしているのは、既存のプラットフォーム技術の延長ではありません。複数の AI システムが組み合わさりながら世界をつくりあげていく学習モデルの「エコシステム」なのです。

注目のトピック
フィジタルデータセントリックコンピューティング
フィジタルデータセントリックコンピューティング

わたしたちは実世界の事象をデータ化した情報を「フィジタルデータ」と呼び、これを生成し流通させ活用するコンピューティングを「フィジタルデータセントリックコンピューティング」と名づけました。実世界のデータ化やその流通や分析など各フローにおける課題はまだ残っているものの、個別最適化から全体最適化への転換や、ビジネスチャンスや災害リスクへのリアルタイムな応答など、その実現によってもたらされる価値創造は非常に大きなものと考えられます。

  • キーワード
  • データセントリックコンピューティング技術
  • ディスアグリゲーテッドコンピューティング
  • 散在データ仮想統合技術