4.セキュリティ

価値創造のプロセス全体をセキュアに

インターネットが社会のあらゆるヒトとモノをつなぐ現在、サイバー犯罪やサイバーテロなどネットワークセキュリティのリスクは飛躍的に高まっています。また、近年は個人のヘルスケアデータや企業の営業情報など、プライバシーに対する懸念や法的な制約からデータの高度な利活用が難しかった分野における、データ利活用の有用性が注目されています。さらに、これらの分野における法制度整備が世界的に進んでいます。この流れは、今後現実空間とサイバー空間が密に連携するスマートな世界においてより一層強まると考えられます。サイバー空間への攻撃は現実空間にも大きな影響を及ぼし、脅威に曝される機会と被害の程度・範囲は指数関数的に増大していくでしょう。

わたしたちはそうしたリスクに対応すべく、セキュリティ対策で増え続けるオペレーションコストの問題を解決しながらセキュリティ被害を最小限にとどめる技術を開発しています。たとえば、被害の極小化においてはセキュリティ対策の自動化・自律化を進めています。信頼できない機器やネットワークが接続するゼロトラストネットワーク上でのサイバーセキュリティ技術や AI の防御技術、人間を狙ったソーシャルアタックへの対応技術も含まれます。また、暗号化したデータを元のデータに戻すことなく計算可能とする「秘密計算技術」やパーソナルデータを特定の個人が識別できないように加工する「匿名化技術」に代表されるデータ流通・利活用技術の確立もめざしています。もちろん、データをより横断的に活用していくためには、新たな法制度や社会規範も整備されねばなりません。わたしたちはプライバシーや法制度も考慮して技術を開発し、技術に即した記述を法律に盛りこむ働きかけをしていくことでよりよい制度や規範を実現する研究も進めていきます。

さらにわたしたちは、サイバーセキュリティ分野におけるコミュニティ活動や人材育成活動、量子コンピューティングが実現しても解読や偽造が困難な暗号理論分野など、「スマートな世界」実現後の次の時代に必要とされる研究活動にも注力しています。

注目のトピック
匿名加工技術
匿名加工技術

わたしたちは個人情報保護委員会が規定した匿名加工情報作成の基準に沿って、匿名性と有用性のバランスのとれた匿名加工情報の作成を支援する「匿名加工情報作成ソフトウェア」を開発しました。従来はデータの一般化による情報損失が課題でしたが、撹乱的な手法によりデータの粒度を変えずに匿名性を担保する「Pk- 匿名化」を導入することで、情報損失が少なくより正確で幅広い分析が可能となる匿名加工情報を作成できるようになります。

  • キーワード
  • 秘密計算技術
  • 匿名化技術
  • サイバーセキュリティ
  • 耐量子計算機暗号