更新日:2022/01/21

    曲げ損失を抑制し、伝送特性に優れた光ファイバを使用した局内光ケーブル局内SM型BI光ファイバケーブルNTTネットワークイノベーションセンタ

    概要

    光ブロードバンドサービスの急速な増大に伴い、所内の光配線設備も急激に増大、高密度化しています。
    そこで、信頼性の高いネットワークを構築するため、曲げによる損失が原因で発生する故障を抑制することを目的とし、光ファイバの曲げ特性を向上した局内光ケーブルを開発しました。

    本技術のアドバンテージ

    • 誤って急角度な曲げが加えられてしまった場合でも、発生する損失を軽減することができる
    • 従来の光ファイバIDテスタ(心線対照器)でも心線対照が可能である
    • 光学特性、機械特性、温度特性について、従来のケーブルと同等の特性を有している

    解説図表

    技術解説

    従来の光ファイバは、過度に曲げを加えると、ファイバ内の光信号が外に漏れる特性がありました。

    そこで、今回のケーブルには光ファイバのコア周辺に空孔を配置した空孔アシスト型光ファイバ(HAF:Hole Assisted Fiber、以下「HAF」と略す。)を適用しました。

    HAFは、クラッド部にガラスより屈折率の小さい空孔(空気)を設けているため、閉じ込め効果をより高めることで、曲げ特性が大きく改善されます。

    また、今回開発したHAFは、曲げによる損失が小さいだけでなく、空孔の大きさや位置等を最適化することで、現在使用しているシングルモード型光ファイバと同等の伝送特性を有しており、長距離伝送しても信号が劣化することがありません。

    半径5mmで曲げても、1ターンあたりの曲げ損失が0.1dB以下(波長1550nm)を実現しています。 また、曲げによる損失の小さい光ファイバの国際規格である、ITU-T G.657のA2及びB3の曲げ損失を満足するだけでなく、既存のシングルモード型ファイバの国際規格であるITU-T G.652も満足しています。

    また現行の光ファイバIDテスタ(心線対照器)における心線対照については、従来の光ファイバより検知レベルは低いものの、NTTビル内で心線対照を実施する上で、十分な特性を有していることが確認できています。

    担当部署

    NTTネットワークイノベーションセンタ アクセスインフラプロジェクト

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