更新日:2018/08/27

    次世代の1ペタビット超大容量空間多重光通信基盤技術NTT未来ねっと研究所

    背景・従来課題

    近年のクラウドサービス拡大やスマートフォン普及に伴うブロードバンドサービスの急速な発展とともに、通信トラヒックは年率1.3倍(10年で約10倍)のペースで増え続けています。これまで、光通信システム装置の大容量化により大容量光ネットワークの基盤となる経済的なインフラを実現してきました。現在までに毎秒40テラビット容量を長距離伝送する光ネットワークが実用化されています。しかし、従来の単一モード光ファイバでは物理的に伝送可能な最大容量に近づきつつあり、増加し続ける通信トラヒックへの長期的な対応が課題とされていました。

    概要

    将来の通信トラヒックの急増に対応可能な大容量インフラをめざして、多値変調技術と空間分割多重技術を駆使した超大容量光通信技術の研究をすすめています。これらの超大容量光伝送技術を用いることで、光ファイバ1本当たり毎秒1ペタビットの光伝送を世界で初めて実現しました。
    毎秒1ペタビットという数値は、2時間のハイビジョン映画5000本を1秒間で伝送可能な速度に相当し、伝送距離50kmという数値は中距離の中継ビル間隔に相当します。これまでの1本の光ファイバを用いた伝送性能として世界最高となるものです。

    本技術のアドバンテージ

    • 従来の光ファイバを用いた光通信システムの10~100倍以上の超大容量化が可能

    利用シーン

    • 次世代の光ネットワーク

    解説図表

    技術解説

    空間多重光通信は、一本の光ファイバに複数のコア(光信号の通路)を有するマルチコア光ファイバや、複数のモードを伝搬する数モード光ファイバ等を用いることで、通信容量の飛躍的な大容量化を実現する技術です。2008年頃より検討をはじめ、現在は次世代の光通信技術として世界的な研究開発の潮流になりつつあります。
    NTTは一部NICT、および総務省委託研究の支援のもと、産学連携によりマルチコア光ファイバ、および光ファイバ増幅器の設計・製造技術やその性能を極限まで引き出すための光伝送技術の研究を進めて参りました。それぞれの技術を統合し、マルチコア伝送における空間と波長を合わせた利用効率を最大化することで、2012年に、従来の光ファイバの容量限界を一桁上回る1Pbit/sの超大容量光伝送に世界で初めて成功しました。さらに、2017年に1Pbit/sの超大容量で200kmを超える光増幅中継伝送に世界で初めて成功しました。
    【特徴1】超高速デジタルコヒーレント光伝送技術、および空間多重に対応した高度な光信号処理技術
    【特徴2】低損失・低クロストークの高密度マルチコア光ファイバ設計・作製技術、および光デバイス技術
    【特徴3】低電力化・高密度集積化を実現するマルチコア/マルチモード光増幅技術

    担当部署

    NTT未来ねっと研究所 トランスポートイノベーション研究部

    関連するコンテンツ