更新日:2025/12/11
本特集では、ゲームチェンジにつながる革新技術の早期具現化と事業や顧客に求められる差別化技術の確立に取り組むNTT未来ねっと研究所の研究開発方針を紹介する。世界一・世界初の研究成果とIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)/6G(第6世代移動通信システム)に貢献する成果を創出する光(量子)・電波・音波を用いた伝送技術およびその高付加価値化の最新取組状況について紹介する。

光・無線の融合が導く次世代ネットワーク・コンピューティング基盤の革新
NTT未来ねっと研究所(未来研)では、世界トップレベルの通信技術と、それらを最大限に活用するネットワーキング技術を駆使し、通信技術の飛躍的な性能向上と新たな利用領域の開拓に挑戦しています。常識を超える「世界一」「世界初」の研究成果の創出と、それらの社会実装による新たな価値創造をめざし、研究開発を推進しています。本稿では、未来研で取り組む技術の概要を紹介します。

超長波長帯(X帯)の新規開拓による超広帯域大容量光増幅中継伝送技術
デジタル信号処理技術の進展によって光ファイバ伝送システムの周波数利用効率は理論限界に近付いており、さらなる大容量化のためには波長多重を行う伝送帯域の広帯域化が重要です。本稿では、周期分極反転ニオブ酸リチウム(PPLN:Periodically Poled Lithium Niobate)導波路を増幅媒質とした光パラメトリック増幅器(OPA:Optical Parametric Amplifier)による超広帯域波長帯一括変換技術と、光ファイバ中の誘導ラマン散乱の有効利用によって実現した、新規超長波長帯(X帯)の開拓と、S+C+L+U+X帯を用いた27THzにわたる超広帯域・大容量伝送実験について解説します。

光ネットワークサービスのオンデマンド提供を実現する光ネットワークデジタルツイン技術の研究開発
IOWN APN(Innovative Optical and Wireless Network All-Photonics Network)は、光信号を電気に変換せずに伝送することで、大容量・低遅延・低消費電力な通信をオンデマンドに提供することを目標としています。その実現には運用の自律化が不可欠であり、NTTは光ネットワークデジタルツインを活用し、実ネットワークを仮想空間に再現し、設計・分析・制御の自動化をめざしています。本稿では、伝送モードの自動最適化技術を中心に、オンデマンド光サービスを支える取り組みを紹介します。

IOWN/6G時代の超高速・大容量通信を実現する光無線融合伝送技術の研究開発
現在NTTでは、6G(第6世代移動通信システム)の移動通信ネットワークとIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)の融合による、革新的なネットワーク・情報処理技術の実現に向けて研究開発に取り組んでいます。本稿では、このIOWN/6Gに向けたNTT未来ねっと研究所の取り組みとして、超高速・大容量通信を実現する「光マトリクス無線ビームフォーミング技術」について紹介します。