更新日:2018/08/27
可視光のレーザが一般に使われるようになり、それを用いたピコプロジェクタや網膜描画型の表示デバイスが提案され始めています。特に発光効率の高いレーザを用いることで、小型でコンパクトな光源の実現が見込まれ、様々なモノや場所にプロジェクション機能を実現できる可能性があります。このような光源を実現するためには、ミラーやレンズを無くした超小型の光学系(光回路)が求められます。
光通信で培った光回路技術により、可視光を自由に操ることで超小型の3色光源が可能となりました。これにより、どこにでも・なににでもつけられるような小さな光源として、あらゆるモノに光による表現力をあたえるなど、表示デバイス技術の未来に貢献します。
光ファイバの作製技術と半導体微細加工技術により髪の毛の10分の1以下の極めて細い光の通り道で光の回路を作って、光ファイバ通信向けに光の分岐回路や波長合分波器を実現してきました。光ファイバ通信では光ファイバの損失が少ない赤外の波長の光が使われるため、これまで光回路はその赤外波長に特化して作られてきました。本技術は、そのような光回路技術を可視光でも使えるようにして可視光を自由に操ることを可能としました。さらに、これを、近年発展してきた可視領域の半導体レーザ技術と組み合わせることで、従来の1/100程度の超小型の可視光光源を可能としました。本技術によって、どこにでも・なににでもつけられるような小さな光源を実現して、あらゆるモノに光による表現力を与えるなど、新たな表示デバイス技術の発展に貢献します。
NTT先端集積デバイス研究所 光電子融合研究部