更新日:2020/06/30

    鉄筋コンクリートマンホールの点検周期延伸NTTアクセスサービスシステム研究所

    概要

    マンホール(MH)の劣化予測に基づく点検周期の見直しを行いました。
    調査と実験を通じ、マンホール天井部に発生する結露がマンホールの鉄筋の腐食を促進すること、結露は埋設深度の大きいマンホールでは発生しないことを明らかにしました。以上から埋設深度の大きいマンホールについて、従来よりも点検周期を延伸することが可能であるという知見を得ました。

    背景・従来課題

    NTTは全国に約60万個の通信用鉄筋コンクリート製マンホールを保有しています。
    鉄筋コンクリートは、経年劣化により鉄筋が露出した状態となることがあります。露出した鉄筋の腐食速度は大きく、長く放置すると鉄筋の強度が低下し、マンホール構造を維持できなくなる恐れがあります。そこでNTTでは、過去の鉄筋腐食調査に基づき一律10年に一度点検を行っています。しかし、腐食速度は設置環境等の要因により異なるはずであるため、マンホールを劣化速度ごとに分類し、より効率的に維持管理することが求められています。

    本技術のアドバンテージ

    • 全国の鉄筋コンクリートマンホールのうち、約1/6について、点検周期を10年から20年に延長しました。
    • 設備の老朽化、労働人口の減少等、これからの社会インフラの維持における課題の解決に資する技術です。

    利用シーン

    • 鉄筋コンクリートマンホールの維持管理をより効率的に実施できます。

    解説図表

    技術解説

    マンホールは入り口部分である「首部」と、本体である「躯体」に大別されます。マンホールの埋設深度は、首部の長さ(首部長)により決定されます。
    躯体の天井部は、車両等の荷重の負荷を最も大きく受ける部位ですが、天井部の鉄筋が露出して腐食している状態が散見されます。マンホールの天井部に試験用の鉄筋や温度計を設置して腐食調査を行ったところ、主に冬季にマンホールの天井部が冷え、天井部に結露が生成すること、そして結露が多いマンホールでは腐食量も大きくなる傾向にあることがわかりました。そこでマンホール環境を模擬した実験を行ったところ、結露はマンホールの天井部と気温(正確には露点温度)の温度差が約1℃以上になると腐食を促進させる程度まで成長することが明らかになりました。
    埋設深度が大きいマンホールでは、冬季においても地上の冷温が伝達せず、結露および腐食量が少ない傾向にありました。具体的には、首部長が1.1m以上であれば、常に温度差が1℃未満であり、腐食速度も小さかったため、点検周期を延伸することが可能であるという知見を得ました。

    担当部署

    NTTアクセスサービスシステム研究所 シビルシステムプロジェクト

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