NICの研究開発
ネットワークイノベーションセンタの技術ブログ「NIC Tech Talks」開設
NIC センタ長
岡崎 義勝(おかざき よしかつ)写真:左
NIC企画部 企画部長
松井 健一(まつい けんいち)写真:右
#NIC技術ブログ#社会実装
2024/6/10
ネットワークイノベーションセンタの技術ブログ「NIC Tech Talks」の開設
NTTネットワークイノベーションセンタでは、2024年6月より技術ブログ「NIC Tech Talks」を開設しました。今回は、技術ブログ開設の思いについて岡崎義勝センタ長と松井健一企画部長にお話を聞きました。
技術ブログ「NIC Tech Talks」の開設についてお聞かせください。
(岡崎)NTT研究所は基礎研究から技術の社会実装まで、非常に幅広い領域をカバーしている研究所です。その中でもネットワークイノベーションセンタ(以降、NIC)はネットワーク領域の実用化研究と社会実装を担っています。研究所の中で社会実装・開発というとイメージがわかない方もいると思いますが、NTT R&Dの研究成果を実際にユーザの皆様に届けるための重要な役割を担っていると考えています。NTTでは現在IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想*の進化発展をめざして研究開発を推進しています。すでに、APN(All Photonics Network)については、APN IOWN1.0**として、2023年3月に商用サービスを開始していますが、我々NTTも、世代や国などの様々な限界を超えて、宇宙・地球・人類・社会をサスティナブルに支えるインフラを担う使命のもと、従来のネットワークの大容量化・高速化、サービス・運用高度化の研究開発だけでなく、徹底的な省電力化技術の研究開発、圧倒的な低遅延化の研究開発にも取り組んでいます。このような変革期にあたり、NICの研究開発の営みも進化、また深化を続けています。ぜひ、NTT研究所、そしてNICを知ってほしい、それが技術ブログを開設した理由です。
「NIC Tech Talks」ではどのような内容を紹介していくのでしょうか?
(松井)NICのメンバが、①研究開発の取り組み、②関連技術の解説、そして③研究者としての思いや研究の営みを情報発信していきます。ご期待ください。
ネットワークイノベーションセンタの概要
NICについて教えてください。
(岡崎)NICはIOWN総合イノベーションセンタというIOWNの社会実装をミッションとする組織に属しています。設立されたのがちょうど3年前になるのですが、それまで複数の研究所で取り組んでいたインフラ、アクセスネットワーク、コアネットワーク、ネットワークサービス、オペレーションといったネットワーク全体の社会実装に一元的に取り組んでいます。扱っている領域は本当に幅広く、ネットワーク関連のシステム実用化のハブとなる組織です。数年先の実用化に向けた研究開発とシステム実装、既に実用化された研究開発成果の継続的な発展へ取り組んでいます。
(松井)例えば、先ほどもお伝えしたように2023年にAPN IOWN1.0のサービス提供が開始されましたが、そこにもNICの成果が使われています。これまでも、NTTグループのネットワークサービスを支えるシステムとして、NICの成果はいろいろなところで活用されています。皆さんが今使っているNTTのネットワークサービスの裏には、私達が研究開発し実装したシステムがたくさん動いています。
(岡崎)このようにNICは多くのシステムを提供していますが、やはりシステムに故障はつきものです。もちろん、故障発生を抑える、故障が発生した際のお客様サービス影響を徹底的に極小化する設計や技術開発も行っていますが、もしシステム故障が発生し、それがサービス運用しているNTTグループ会社では手に負えないような場合には、我々NICのメンバも加わり、NTTグループ会社のメンバや開発パートナと一緒になって問題解析やその後の対策検討を行うなど、研究開発組織でありながらも、提供したシステムに最後まで責任を持ち取り組んでいます。大規模なシステム工事のときに現場への技術支援として入ることもありますね。
また、少し違う角度で考えてみると、通信サービスを維持していくうえでは、現場で作業をする人々にとって命に関わるような危険な作業が伴うこともあります。具体的には高所や電柱の設置・メンテナンス作業など屋外作業が該当します。また、現場作業者の高齢化も進んでおり、これらの作業を安全かつ効率的に遂行できる技術開発も行っています。
「実用化のハブ」組織としてのやりがいや難しさを教えてください。

(岡崎)企業の技術経営では研究から開発に繋げる難しさを「魔の川」、開発から実用化に繋げる難しさを「死の谷」と言いますが、NICではNTTグループ会社と一緒になってこの「魔の川」と「死の谷」を超えていくための検討を日々推進しています。ちなみに、「死の谷」は一般的によく聞きますが、「魔の川」は先日NICの企画部のメンバに教えてもらいました。
この過程は本当に大変だけど、それを超えた先には多くの人に我々の技術を使ってもらえるチャンスが生まれる。ネットワークは今や生活に欠かせないインフラであり、そこに寄与できる本当にやりがいのある仕事です。
(松井)その分、大変なこともたくさんあります。キラリと光るコアとなる技術が必要なのはもちろんなのですが、それだけでは世の中では使えません。技術をネットワークシステムとして仕上げ、それを時には既存のネットワークに組み込み、更にはNTTグループ会社や世の中で運用も含めてサービスとして仕上げていくことで初めて技術がユーザの皆様に届きます。この過程では、コアとなる技術を磨くと共に、ネットワークトータルで動作させるための多くの壁を乗り越える必要があります。扱うシステムは大きいものが多いので、自然とステークホルダーが非常に多いプロジェクトが複数同時並行で進みます。技術だけでなく、コミュニケーション面でも苦労はありますが、やり遂げたときの達成感はひとしおです。このようなやりがいも大変さも含めて、今後NIC技術ブログの中で様々なメンバが研究者としての思いを語る中でお伝えしていければと思います。
NICで働くメンバについて教えてください。
(岡崎)先程お話したように、NICにはネットワーク領域に関わる実用化開発を中心に、それに関わるコア研究やNTTグループ会社のサポートなど、いろいろな仕事があり、それらを支えるいろいろな人材がいます。世の中で使われるものを作りたい、自らが作ったネットワーク技術で世の中が変わる様子を見てみたいという思いを持つメンバがたくさんいます。
(松井)最近は新卒採用だけでなく、経験者採用も進めています。例えばユーザ視点を踏まえながらエンジニアリングに携われる方など、多彩な経験を重ねてきて、なおかつそれを社会実装に生かせる人材が入ってくることで、私達の研究の幅も広がり、良い成果創出につながると考えています。また、NTT研究所には社内外から優秀な研究者として認められている革新研究者に与えられる「特別研究員」という称号があるのですが、NICにはオープンソースコミュニティで活躍し特別研究員になったメンバもいます。このように様々なバックグラウンドを持ちながら多くのフィールドで活躍できるメンバが揃っています。
NIC、NTT研究所での働き方について教えてください。

(松井)NTT研究所は裁量労働制とリモートワークを導入しています。NICでも多くのメンバはリモートワークを中心としながら、コミュニケーションを大切にして仕事をしています。また、働く時間や環境を選択して子育てや介護など自身のライフと両立した働き方をしているメンバもいます。
(岡崎)一方で、ポストコロナになり、オフィスで顔を合わせて和気あいあいと過ごす時間も持てるようになりました。NICではオフィスに集う環境も整備しており、最近はNICe(ナイス)というコミュニティスペースも作りました。本日も実はNICeでインタビューを受けているんですよ。
(松井)国際会議や海外でのコミュニティ活動もコロナ前のように実施できるようになりました。最近では国際会議や海外の標準化・オープンソースコミュニティ等に現地参加し、積極的に研究開発成果のアピールや技術議論をする機会を増やしています。
最後に。
(岡崎)本日のインタビューだけでは語りきれないNICの魅力がたくさんあります。ぜひ、今後「NIC Tech Talks」の中で私達の技術や組織に触れていただきたいです。
― ありがとうございました。
脚注(用語解説)
*IOWN: IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)とは、あらゆる情報を基に個と全体との最適化を図り、多様性を受容できる豊かな社会を創るため、光を中心とした革新的技術を活用し、これまでのインフラの限界を超えた高速大容量通信ならびに膨大な計算リソース等を提供可能な、端末を含むネットワーク・情報処理基盤の構想。
IOWN|NTT R&D Website(rd.ntt)
**APN IOWN1.0:2023年3月に開始されたIOWN構想に基づくIOWNのオールフォトニクス・ネットワークのサービスの第一弾。
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