映像品質評価法

1.映像品質の主観評価法

1.5.代表的な主観評価法

(4) PC法 (Pair Comparison)

ITU-T勧告P.910で規定されるPC法では、図1.5.4に示すように、評価映像を“対”にして評価者に提示し(共に10秒程度)、後者の評価映像の品質を前者のそれと比較し、続く10秒以内にどちらの評価映像の品質が良かったかを判断したり、表1.5.3に示す7段階比較尺度等により評価を行ったりします。どちらを先に観視して評価するかにより評価結果に順序効果が現れるため、同じ評価映像の対を用いた評価でも、提示順序を変えて評価を行うことが望まれます。PC法では評価映像同士を直接比較して評価するため、細かい品質の差を検出することが可能となりますが、品質評価結果が相対評価値として得られることや、ACR法やDCR法よりも多くの評価時間を要する(評価映像の組合せの数が多い)といった特徴があります。

図1.5.4 PC評価の流れ
図1.5.4 PC評価の流れ

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表1.5.3 7段階比較尺度
評点 評定語
-3 非常に悪い(Much Worse)
-2 悪い(Worse)
-1 やや悪い(Slightly Worse)
0 同じ(About the Same)
+1 やや良い(Slightly Better)
+2 良い(Better)
+3 非常に良い(Much Better)