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音声品質評価法

4.音声品質の客観評価法

3章で説明した主観品質評価法は、正確な評価が可能である反面、多くの時間やコストを必要とします。そのため、評価者による直接の評価を必要とせずに、端末やネットワークの物理的特性を測定することにより主観品質を推定する方法が望まれます。このような方法全般を広義に「客観品質評価法」と呼びます。

客観品質評価法は5つのカテゴリに分類することが出来ます(表参照)。

  1. プランニングモデル:ネットワークや端末の品質パラメータを入力として品質を推定する。
  2. メディアレイヤモデル:メディア信号を入力として品質を推定する。
  3. パケットレイヤモデル:パケットヘッダ情報から品質を推定する。
  4. ビットストリームレイヤモデル:パケットヘッダ情報に加え、ペイロードのビットストリーム情報を用いて品質を推定する。2と3の中間に該当するモデル
  5. ハイブリッドモデル:上記に記載した4つの中から複数のモデルを複合したモデル。

以下では、それぞれのモデルの詳細について記述させていただきます。

(表4.1)客観品質評価技術の分類
  プランニング
モデル
メディアレイヤ
モデル
パケットレイヤ
モデル
ビットストリーム
レイヤモデル
ハイブリッド
モデル
入力
情報
品質設計
パラメータ
メディア信号 パケットヘッダ
情報
パケットヘッダやペイロードの情報 左記に記載されている入力情報
目的 ネットワーク
プランニングや端末設計
品質のベンチ
マーキング
インサービスにおけるパッシブ品質監視
既存の
ITU標準
(音声)
ITU-T G.107
【E-model】
ITU-T P.862
【PESQ】
ITU-T P.563
ITU-T P.564 - ITU-T P.CQO
(検討中)