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Mintent®

自動運転管制室に用いる物体認識率推定技術

2023年4月1日に施行された改正道路交通法では、特定の条件のもと運転手がいない状態での自動運転による公道走行が解禁されています。このような走行においては、走行中の映像を監視可能な遠隔監視装置の配置、および遠隔監視を行う特定自動運行主任者(監視者)の配置が国土交通省より義務付けられています。

自動運転における遠隔監視システムでは、自動運転車に搭載された監視カメラによる撮影映像を符号化し、無線アクセス区間を含むネットワークを経由して遠隔にある管制室に送信されます。この監視映像を介して、監視映像内の人物や物体を監視者が正しく認識できるかという観点が重要となります。

監視映像の画質が十分に高く、途切れなく再生されている場合には、走行中の車内外の状況を把握することが可能です。しかし、車両周辺の無線電波伝搬環境の変化やNWトラヒック増加に伴う輻輳により、映像ビットレートの低下に伴う画質低下、パケット損失に起因した一時的な再生停止といった事象が発生することで、物体が認識しづらくなります。物体認識は、ネットワークだけでなく、走行車両や周辺環境の影響も受けます。例えば、走行速度が速いほど、監視映像内の動きが大きくなり、人物や物体を認識しづらくなります。また、雨天時や夜間走行においては、晴天時や日中の走行に比べ、雨や明るさの影響により認識しづらくなります。これらの要因を踏まえ、監視映像が物体認識に耐えうるものであったかを常時監視することが重要です。

そこで、NTT研究所では、映像監視時の物体認識率に影響を与える要因に基づき、監視者が物体を認識できる確率(物体認識率)を推定する技術の研究開発を進めています。

(図2-1)自動運転車の走行映像遠隔監視

(図2-1)

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監視映像が常に物体認識に耐えうるものであったかを監視し、監視映像の品質が低下することで物体認識に耐えられない場合は監視者に警告をあげたり、自動運転を停止するなどの措置をとることが適切であると考えます。また、物体や人物の飛び出しはいつ発生するかわからないため、物体や人物が監視映像内に存在しない場合でも、その監視映像で物体認識が可能であったかの程度を常に監視できていることが望ましいといえます。

以上のことから、監視映像が物体認識に耐えうるものであったかを常時監視可能な技術として、自動運転中に取得可能な伝送映像や走行車両に関するパラメータ(映像ビットレート、パケット損失率、走行速度)を入力として、物体認識率を推定する技術の研究開発を進めています。また、走行時の周辺環境(天候など)や監視環境の違いが物体認識率に与える影響についても考慮することで、汎用的な環境において適用可能な技術の確立を目指します。

ITU-T SG12 Q19は本技術の国際標準化を進めています。

(図2-2)走行映像遠隔監視における物体認識率推定技術

(図2-2)

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