ウェルネスセンシング研究グループ

研究G紹介

私たちは「ウェアラブルデバイス技術」「生体信号計測技術」「IoT技術」を軸に、日常生活の中に違和感なく実装されるウェアラブル生体センサの研究開発を推進しています。自然に健康が見守られる新しい未来を描き、誰もが活き活きと暮らせる医療・ヘルスケアサービスの創出に挑戦します。

・ナチュラル生体インターフェースデバイス技術
・分散型心電計測技術

テーマ

研究開発成果

【 リサーチ&アクティビティ 】
「手首に装着するウェアラブル心電計測技術」 2024年9月5日

ピックアップテーマ:ナチュラル生体インターフェースデバイス技術

・どんな技術

私たちは、ユーザの身体の状態を把握するために必要な生体データを、日常生活の中で自然に、かつ無理なく収集できるようにすることを目指しています。そのために、装着時の負担感や取扱いの手間を感じさせないセンサデバイスの研究開発を推進しています。

技術

・何が特徴?

肌や衣服への装着に適したセンサ構成技術の一つとして、センサを柔軟なシート状にすることで、少ない力で肌や衣服にフィットし、不快感の軽減と計測の安定性を両立する「フレキシブルセンサ技術」の研究に注力しています。本フレキシブルセンサ技術は、以下の3つの主要な特徴を備えるよう研究開発を進めています。
1.柔軟性と信頼性を両立する構造設計
 快適な装着感を実現する高い柔軟性を有しつつ、日常生活の中で発生する曲げや引っ張りといった機械的負荷にも長期間耐えうる高い信頼性を備えた構造設計を行います。
2. 部品特性を維持する製造プロセス設計  センサ全体の高い柔軟性を確保しながら、搭載された電子部品や回路の電気的・機能的特性を損なわない製造プロセスを工夫することで、性能劣化を防ぎ、高品質なデバイスの量産を可能とします。
3. 多様なセンシングへの拡張性
 電気・熱・光など、複数の物理量を検出できるセンサ素子を搭載可能な構造設計とインタフェース設計を備え、今後の用途拡張やマルチモーダルセンシング(複合的センシング)へ柔軟に対応します。

計測データ例


           試作したフレキシブル心電センサと計測データ例

・何ができる?

NTTでは、ユーザの日常生活から収集される生体データをはじめとする多種多様で膨大なデータを活用し、AI(人工知能)による高度な生体情報処理技術を駆使して、個々人の特徴に基づいた健康リスク予測や要因分析を行う「バイオデジタルツイン」の実現を目指しています。私たちは、装着時の違和感や運用上の手間を排除した生体センサデバイスを創出することで、ユーザが日常生活の中で無理なく継続的に生体センシングを行える環境を整えます。この持続的センシング環境を基盤として、個々人に最適化された医療・健康サービスの提供を目指し、より安心・安全な社会の実現に貢献していきます。

構成

           バイオデジタルツインの構成

ピックアップテーマ:分散型心電計測技術

・どんな技術

装着感を意識することなく、日常生活を送りながら心電図(ECG)を継続的に計測できるデバイスの研究開発を進めています。
※ ECG:Electrocardiogram

日常

・何が特徴?

本技術の大きな特徴は、心電計測回路の一部に「人体を介した信号伝送路」を利用している点にあります。従来の心電計測デバイスは、2つの電極と計測回路を配線で接続した構成を採っており、ウェアラブル型や貼付型など、胸部に装着するタイプの製品が市販されています。しかし、ユーザーからは、着脱の煩わしさや粘着部による肌への不快感に対して改善を希望する声があります。そこで私たちは、脱着が容易な四肢や身の回りの機器等にデバイスを分散配置するアプローチを検討しました。単純にデバイスを分けた構成ではデバイス間を配線で接続することができず、心電図の測定ができません。そこで、分断されたデバイス間配線を「人体を介した信号伝送路」で代替することで、装着時の不快感を軽減しつつ、分散配置しても心電計測を可能にする新たなデバイスの実現を目指しています。

信号伝送

・何ができる?

・衣服の着脱やデバイスの貼り付けによる装着作業が不要なため、高齢者や身体の不自由な方でも容易に心電計測デバイスを装着できます。
・例えば、デバイスをPCマウスや車のハンドル等に組み込むことで、デスクワーク中や運転中でも心電計測が行えるようになります。
・装着が簡便であることから、心電図の計測時間や頻度を増やすことが可能となり、その結果として、医療機関の受診を促す機会の増加が期待されます。
・想定される利用シーンとしては、中高年齢層の健康状態の見守りサービス、または心疾患患者の入院中および在宅でのリハビリ経過の観察などが挙げられます。