スマートメンテナンス技術研究グループ

研究G紹介

通信設備をはじめとするインフラ設備の点検と補修の効率化・自動化を通じて、安全性と経済性を両立した持続可能なインフラメンテナンスの実現をめざしています。
レーザ工学と電磁波工学を基盤に、物性・化学に基づく現象把握と現場適用の知見を活かしつつ、ロボティクスやAIを組み合わせることによって、省力化・省人化および安心・安全な労働環境の提供を可能とする次世代メンテナンス技術の創出を目標としています。地中探査レーダや各種センサを用いたインフラセンシング技術と、劣化物を非接触で除去可能な高出力レーザを活用したインフラクリーニング技術を軸に、設備の状態把握や異常検知、作業の効率化や設備延命化に資する研究開発を推進しています。

・インフラメンテナンス自動化の安全確保に資する高速高精度のレーザ測距技術


テーマ

ピックアップテーマ:インフラメンテナンス自動化の安全確保に資する高速高精度のレーザ測距技術

・どんな技術

鉄塔や橋梁などのインフラ設備の長寿命化と、メンテナンス作業の効率化・安全性向上を目的として、数百~数千ワット級の高出力レーザを活用し、鋼材表面に付着した錆や汚れを、非接触かつ高精度に除去する「インフラクリーニング技術」の研究開発に取り組んでいます。

その中核技術の一つが、LiDAR(レーザ測距)を用いた高速・高精度の測距技術です。施工中の状態をリアルタイムで把握することで、クリーニング処理の最適化と品質の安定化を実現します。また、現場環境に応じた動的制御により、安全かつ高効率な施工を支援します。
 ※LiDAR : Light Detection and Ranging


・何が特徴?

本技術では、波長掃引光源と干渉計を組み合わせた測距手法により、対象物までの距離をリアルタイム(ミリ秒オーダー)かつ高精度(マイクロメートルオーダー)に把握することをめざしています。
高速・高精度な距離測定は、波長掃引光源と干渉計によって得られる干渉信号を一定時間間隔でサンプリングした後、独自のアルゴリズムを用いた演算を行い、一定周波数間隔でサンプリングし直すことで実現します。
本測定技術により、施工中でも対象物の状態を瞬時に把握でき、動的な制御や自動化との高い親和性を備えた測距システムの構築を可能にします。

図1

・何ができる?

高速・高精度なレーザ測距を用いることで、ミリ秒オーダーの応答速度で作業中の異常を検知し、安全性の高い施工を支援します。また、マイクロメートルオーダーで鋼材表面の状態をリアルタイムにモニタリングすることで、対象を必要以上に傷つけることなく、錆や汚れを効率的に除去することが可能です。さらに、最適なレーザ照射条件を高精度に制御することで、鋼材の腐食防止効果を高め、インフラ設備の長寿命化にも貢献します。

このレーザ測距技術は、ロボットやAIと連携することで、人の眼に代わって対象の状態を高精度に把握する役割を担い、従来の手作業に依存していた複雑かつ危険な作業の省人化・省力化を推進します。特に、高所などリスクの高い環境下における作業負担の軽減にも大きく寄与します。

将来的には、屋外に存在する多様な鋼材インフラ設備に対して、高品質なクリーニングを自律的に行うロボットシステムの構築をめざします。




   図2