私たちの研究グループは、電波・熱・音・化学・光など多様な物理現象を駆使し、これまで測定が困難だった新たな生体データを創出するセンサデバイスの研究開発に取り組んでいます。バイオデジタルツインの実現に向け、簡便なセンサによる日々の生体データを提供し、ユーザごとの個別化サービスや新たなエビデンスの創出に貢献します。 ・深部体温センサ ・非侵襲グルコースセンサ ・組織弾性センシング

【 技術ジャーナル特集 】 「体内リズムの可視化をめざしたウェアラブル深部体温センサ技術」 NTT技術ジャーナル 2021年5月号 松永大地、田中雄次郎、田島卓郎、瀬山倫子 「我慢しない食と健康の両立に向けた非侵襲グルコースセンサ」 NTT技術ジャーナル 2023年1月号 中村昌人、田島卓郎、林勝義
・どんな技術
この技術は、肌に貼り付けるだけで皮膚温と体内からの熱流束を測定し、深部の温度変化(体内リズム)を可視化するセンサです。独自の構造設計と信号処理アルゴリズムにより、日常生活の行動を制限することなく高精度な連続測定を可能にしています。

・何が特徴?
・低負担:貼り付けるだけで測定可能 ・高精度:直腸温度センサと同等の深部の温度変化を測定が可能 ・環境耐性:外気の影響を抑制する独自構造により、日常生活環境でも安定した測定が可能 ・低消費電力:コイン電池で2か月程度連続動作 ・小型・軽量:測定、記録、無線通信までの機能を集積

・何ができる?
体内リズムの可視化:生体深部の温度変化を長期間にわたり高精度でモニタリング。 日々の体内リズム変化をもとにした睡眠サポート※ ※体内リズムに基づいたレコメンドを提供し、睡眠の質向上を支援。海外出張時などの体内リズム調整をサポート。

・どんな技術
電波を用いた誘電分光技術により、皮膚に触れるだけで体内のグルコース(血糖)濃度の変化をリアルタイムに推定するウェアラブルデバイスです。従来のような針を刺す必要がなく、日常生活の中で継続的にグルコース値をモニタリングすることをめざしています。

・何が特徴?
非侵襲性:採血や穿刺を伴わず、皮膚表面から皮膚組織内のグルコース濃度の変化を推定 ウェアラブル設計:貼付型が可能なサイズのデバイスで、違和感なく連続的に装着可能 高精度センシング:同軸プローブ型センサで電波の位相変化を高感度に検出し、微細なグルコース濃度変化による電気特性の変化を捉える

・何ができる?
グルコース値の可視化:日内のグルコース値の変化をリアルタイムで把握し、血糖値スパイクの予防に寄与。 生活習慣の最適化:食事や運動によるグルコース値の変動をモニタリングし、個々人に適した生活習慣を提案。 健康管理の支援:糖尿病予備群や健康意識の高い人々に対し、非侵襲的な手法での継続的な健康管理をサポート。

・どんな技術
細胞や組織をマイクロメートルスケールで3次元的に「硬さ」(音響インピーダンス)を非侵襲かつ定量観察できる「音響インピーダンス顕微鏡技術」です。細胞内部の硬さを定量的かつ3Dで計測することをめざしています。

・何が特徴?
・高解像度:超高周波の超音波を用いて細胞レベルの微細構造を3Dで可視化可能 ・定量測定:超音波ビームをディッシュを介して細胞に照射し、反射超音波から細胞内部の硬さを定量的に推定可能 ・非侵襲:ディッシュの外から超音波を照射するため、サンプルへの侵襲が無い

・何ができる?
非染色で生体組織や細胞の機能を観察しながら培養を継続可能なため、疾患の機序解明、再生医療における原料の品質管理、生体機能発現メカニズム解明、医療・創薬研究と幅広い応用を見据えています。