意識より賢い無意識
環境に応じた顕在・潜在的視覚運動応答の調節
どんな研究
人間が複雑で多彩な動きを行うことができるのは、外界の状況を理解し、意識的に運動を制御する情報処理能力が高いからであると考えがちです。しかし実は、巧みな運動は無意識的に制御されている部分も多く、どのような情報処理が無意識に行われているかを明らかにしていくことを試みています。
どこが凄い
姿勢安定性や視覚ノイズが異なる環境下で、視覚運動刺激に対して素早く対応する能力を随意・反射応答について調べたところ、状況に適した調節ができるのは反射応答のみであることを発見しました。このことは、無意識的処理が意識的処理よりも状況適応能力が高い場合があることを示唆しています。
めざす未来
感覚運動系における意識的情報処理と無意識的情報処理の異なる点を明らかにすることで、脳の情報処理のさらなる解明、通信・マンマシンインタフェースのデザイン、アスリートのトレーニングなどに活かしていくことをめざします。