研究展示

コミュニケーションと計算の科学

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「こころが動く、通う」をどう測る?

主観・生理・行動からみた共感的コミュニケーションの分析

どんな研究

共感は人が社会的な生活を営む基盤ですが、主観・生理・行動から構成される複雑な現象であるために、その仕組みはまだ十分に解明されていません。本研究では、共感を多面的に理解するために定量化し、そこに含まれる個人差を考慮した方法論を提案していきます。

どこが凄い

個人の中で生理と行動がどのような関係にあるのか、複数の個人の間で情動がどのように伝わるのかを明らかにしました。さらに、個人差が大きい主観の分析において、複数人のデータを集約する集合知のアプローチと、心理特性にもとづく個人差を含むモデル構築の両方に取り組んでいます。

めざす未来

共感を個人差を含めて定量計測する枠組みが整えば、一人一人にあわせた共感を促す介入やその効果の評価・予測が可能になります。他者との関わりがより豊かになれば、ウェルビーイング(心身の潜在能力を発揮し、いきいきと満足して生きること)の向上にもつながると期待されます。

関連文献

  • [1] M. Perusquia-Hernandez, S. Ayabe-Kanamura, K. Suzuki, S. Kumano, “The invisible potential of facial electromyography: A comparison of EMG and computer vision when distinguishing posed from spontaneous smiles,” in Proc. CHI Conf. Human Factors in Computing Systems (CHI) , 2019.
  • [2] L. Antaket, M. Matsuda, K. Otsuka, S. Kumano, “Analyzing generation and cognition of emotional congruence using empathizing-systemizing quotient,” International Journal of Affective Engineering, Vol. 17, No. 3, pp. 183-192, 2018.

ポスター

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当日の様子

連絡先

熊野 史朗(Shiro Kumano) 人間情報研究部 感覚共鳴研究グループ
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