照明光スペクトルの最適化により、対象物を肉眼で直接観察した際の色彩を強調する技術を提案します。人間は白色などを基準に対象物の色を認識しており、その基準が変化すると受ける印象が大きく変わります。本研究では、分光反射率を考慮し、照明光スペクトルを最適化することで、白色の見え方は維持しつつ、同時に、特定の色系統の鮮やかさを強調する、といった目標を実現しました。本アプローチでは、カメラやモニタを通さず直接実物を観察するので、物体の質感が保たれます。またLED光源の組み合わせで実現できるので導入コストが抑制でき、劣化・損傷した文化財の仮想的な色彩復元や、産業・医療分野における異常領域の可視化への応用が期待されます。
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