TsuKuBa 年史-TsuKuBa History -

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アナログRoFを活用した5G(ミリ波)PoC装置による実証実験

2021年(令和3年)

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【研究背景】
高周波数帯アナログRoF 技術は、無線基地局の送受信部(集約局)とアンテナ部(張出局)を分離し、その間を光ファイバで接続し信号を伝送する技術です。
無線トラフィック需要の急増に対して広帯域を利用できる高周波数帯の電波利用は魅力的です。しかし、高周波数帯は伝搬損失が大きくエリア構築には多くの張出局を高密度に設置する分散アンテナ技術との融合が必須であり、そのための設置コスト・消費電力増加が課題でした。

【技術概要】
アナログRoF の適用により基地局機能の大半を集約局へ配置し、張出局を簡易化することで、ニーズに応じた柔軟な屋内外の無線エリア化が可能となります。
アナログRoFを分散アンテナに適用する際には、各アンテナに対して主信号・TDD 信号・キャリア同期信号・ビーム制御信号等を伝送する必要があり、多くの波長を必要とすることが課題でした。このため、主信号(アナログ)と複数の制御信号(ディジタル)等をサブキャリア多重後に電気信号から光信号に変換することで、主信号と各種制御信号を上り/下りそれぞれ1 波長で光伝送することを可能としました。これにより、集約局からの制御信号によりビームテーブルに基づいてビームを選択する遠隔ビーム制御を同時に実現しました。本技術は5G、6G へ適用可能であり、特に、アンテナ素子数やビーム数が多い分散アンテナ技術との融合で実用的な効果が高い技術です。
本技術のフィージビリティ検証のため、アナログRoFを5G 基地局―端末装置と組み合わせたPoC装置を実現し実証実験を行いました1、2)。アナログRoF を介して5G 信号を送信し、張出局において端末の方向の変化に追従する遠隔ビーム制御を行いながら4K 映像データの上下双方向の同時伝送が可能であることを確認しました。

5G信号を用いた実証実験構成

図1 5G信号を用いた実証実験構成

5G信号を用いた実証実験の様子

図2 5G信号を用いた実証実験の様子

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