TsuKuBa 年史-TsuKuBa History -

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無線環境情報プラットフォーム技術

2019年(平成31年・令和元年)

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無線LAN品質をエリアの隅々までリアルタイムに見える化することで、今まで保守者が検知できなかったエンドユーザの通信トラブルを早期に発見し、保守作業効率化を実現する無線環境情報プラットフォーム技術を紹介します。

(1) 開発の背景
Wi-Fiインフラ拡充による設置APの増加・高密度化、ユーザ利用シーン高度化・多様化に伴い、局所的に急激なトラヒックが発生するなど突発的な無線環境の変動がQoE低下につながるといった新たな問題が顕在化しています。また、近年Wi-Fi業務利用等の進展によって通信完了の重要性が高まり、対応が求められています。しかし現在のWi-Fiサービスにおいては、発生時間や場所に関する突発的な無線環境の変動を把握するための手段がありません。そこで、AS研では、無線環境情報をネットワーク上に収集し、リアルタイムに見える化する開発を行いました。

Wi-Fi環境で顕在化する課題

図1 Wi-Fi環境で顕在化する課題

(2) 技術の概要
本開発のポイントは以下にまとめます。

  1. 品質に関する要素情報の段階的な抽出・集約と、位置情報との紐づけによって、短期間で詳細な品質情報を算出・指標化し、遠隔サポートを行う保守要員への提供できるようにしました。

  2. 無線の見える化に寄与する開発機能

    図2 無線の見える化に寄与する開発機能

  3. 品質情報と紐づける収集端末の位置情報を以下の手法の組合わせで取得することで、新たな価値創造に繋げました。

    • 電波到達時間(ToA)が計測可能なAP環境では、開発中のToA測位技術によって収集端末の位置を測位
    • 既設AP環境では、BLEビーコンの追加設置によって測位
本技術の効果を、Wi-Fi高密度環境の典型例として、新国立競技場オープニングイベントにおいて検証しイベント時の実環境において当初想定した課題が発生し、開発した提案手法によって解決可能であることを確認しました。

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