インターネット接続などに利用される無線LANの規格として、IEEE 802.11aとIEEE 802.11gが広く使用されてきましたが、さらに、MIMO(マイモ、Multi-Input Multi-Output)技術を適用して100 Mbit/s超の高速通信が行えるIEEE802.11n規格の導入が期待されています。
IEEE802.11n規格の無線LANを屋内・屋外のあらゆる場所で利用可能とするためには、広い周波数範囲にわたって利用可能とすることと小型化が重要となります。
しかし、従来、IEEE802.11n-MIMO規格のすべての条件を満足するアンテナデバイスについては、4.9GHz帯(4.9~5.091GHz)から5.6 GHz帯までの広帯域の確保と小型化が困難でした。
これに対し、アクセスサービスシステム研究所では、IEEE802.11n規格で使用可能なすべての帯域(図1)で動作することができる小型のアンテナを開発しました(図2)。
本アンテナは、超広帯域特性を持つ立体構造アンテナであるディスコーンアンテナを小型化し、さらに立体構造から平面構造に平面展開することによって、ディスコーンアンテナが本来持っている広帯域特性を保持しながら、アンテナの小型化・平面化を図り、アンテナ全体の寸法を幅48 mm、長さ35 mmと、市販の無線LANカード基板に実装可能な大きさとしました。