TsuKuBa 年史-TsuKuBa History -

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業務の客観的・定量的な分析を支援する業務可視化技術

2019年(平成31年・令和元年)

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アクセスサービスシステム研究所では、これまでRPA(Robotic Process Automation)やアノテーション・UI拡張技術などのPC作業を伴う業務の効率化を実現する技術を生み出してきました。これらの技術の導入を積み重ねる中で、導入におけるいくつかの課題が明らかになってきました。例えば、RPAの導入には、業務の中で問題のある作業や自動化が可能な作業を見つけ出したうえで、 RPAに適した業務プロセスを設計する必要があります。RPA適用に必要な情報を集める一般的な方法は、現場担当者へのヒアリングです。しかし、ヒアリングだけでは主観による影響が大きく客観的・定量的な分析ができないため、RPA導入が効果的に進められないという課題がありました。この課題は、RPA導入のみならず、一般的な業務改善活動においても同じであり、ヒアリングだけではない、定量的な情報に基づく客観的な業務分析の方法が求められています。この課題を解決するために、PC操作をログとして記録し、観点・粒度を自在に切り替えながら可視化することで、業務の客観的・定量的な分析をサポートする業務可視化技術を開発しました(図)。

業務改善を進めるには、一般的には図に示す「現状把握」「分析」「改善案計画」「改善案実行」のステップを踏む必要があります。本技術は、業務がどのように行われているか把握する現状把握と、問題のある業務プロセスを見つける分析のステップをサポートする技術です。本技術は、「ログ取得技術」と「可視化技術」とで構成されています。ログ取得技術は、PC上で行われた操作を検出しログとして蓄積します。可視化技術は、ログ取得技術で取得したログを可視化して表示します。現在、可視化技術で利用可能な可視化手法として、「タイムライン可視化」と「プロセス可視化」の2種類を用意しています。

タイムライン可視化
タイムライン可視化はアプリケーションやウィンドウレベルの利用状況を分析するための可視化手法です。従来技術では、アクティブウィンドウの遷移にのみ注目した可視化は実現されていましたが、本技術では「タイムライン」と呼ばれる可視化方法にウィンドウのアクティブ・非アクティブ(参照のみ可能な状態)を考慮した表示を行うことで、例えばマニュアルを参照しながらシステムを操作するような、複数のウィンドウを併用する複雑な業務の分析をも容易に可能にしています。

プロセス可視化
プロセス可視化は、操作画面上でのマウスクリックやキーボード入力などのより細かな操作レベルのプロセスを分析するための可視化手法です。本技術は、ログとして記録された操作の流れをグラフとして表示します。一つ一つの操作をノードで表現し、操作間の遷移関係をエッジにより表現しています。ノードには操作個所をハイライトとした操作画面のキャプチャ画像を表示することで、分析者のより直感的な操作プロセスの把握・分析を可能としています。

業務可視化技術の概要

図 業務可視化技術の概要

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