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高精度時刻同期アクセス技術

2016年(平成28年)

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高精度な時刻情報を伝送可能なアクセスシステム

モバイル基地局等の高精度な時刻情報が必要なシステムに対して、±70ns以内の時刻誤差で時刻情報を伝送可能なアクセスシステムを実用化しました。

(1) 開発の背景
2016年6月より一部のモバイルキャリアが総務省より新たに割当てられた3.5GHz帯の周波数を用いた次世代携帯通信規格のLTE-Advanced(4G)のサービスが開始されています。このサービスではTD-LTE方式が用いられておりユーザから基地局へ送信される上り信号と、基地局からユーザへ送信される下り信号で同じ周波数を使用するため全てのモバイルキャリアの基地局間で協定世界時(UTC: Coordinated Universal Time)との時刻誤差を1.5マイクロ秒以下の精度で時刻同期させる必要があります。これを実現するためには基地局でGPS(Global Positioning System)をはじめとするGNSS(Global Navigation Satellite System)を利用して時刻情報を生成する方法が考えられますが、遮蔽物が多くGPSの電波が届かない場所に対しての適用手段として、有線伝送を活用し時刻情報を提供可能なアクセスシステムを開発しました。

(2) 技術の概要
今回の開発では周波数同期はSyncE(Synchronous Ethernet)で実現し、伝送路の伝送遅延により生じる時刻の誤差をPTPによって補正する方法を用いて±70ns以内の時刻誤差という位相/時刻同期の高精度化を実現しています。また、今回の開発では既存のネットワークに容易に適用できることを目的に、現行システムに最小限の開発で時刻同期機能を追加する等、現行システムとの親和性も重視しています。

高精度時刻同期アクセスシステムの概要

高精度時刻同期アクセスシステムの概要

時刻同期技術は携帯基地局向け以外にも金融取引、スマートグリッド、グリッドコンピューティング、4K/8K放送等の幅広いアプリケーションへの適用や網の品質評価としてのインタフェース間の伝送遅延時間を高精度に計測する手段にも、更なる適用領域の拡大が期待されます。

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