次世代イーサネットの信頼性を向上させるERP技術
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中継網ではリング構成をとることにより、通信経路の冗長化を図ることができますが、従来の汎用的なレイヤ2経路制御技術であるスパニングツリープロトコル(STP)では、経路の切替時間が長く、数秒程度かかるという問題がありました。
これを解決するため、経路切替え時のループ発生の防止と、高速な経路切替えが可能なERP(Ethernet Ring Protection)技術を開発しました。
レイヤ2スイッチAに故障発生
レイヤ2スイッチBとCにおいて、故障したレイヤ2スイッチAと接続されているポートを閉塞する。
他のレイヤ2スイッチに故障情報を通知する。
正常時には閉塞していたレイヤ2スイッチDのポートを開放して、フレーム転送が可能な新たな経路を構築する。
リング内の全レイヤ2スイッチでMACアドレス学習テーブルを初期化し、新たな経路でのフレーム転送処理を開始する。
図 ERP技術の動作例
図のERPの動作例に示すように、のポート閉塞処理によりループ発生を防止できる経路切替えを実現しました。また、ポートの閉塞と開放(
~
)の簡易な処理により、経路の再構築を行うことができるため、高速切替えが可能となりました。
本技術の開発を契機として、ITU-T SG15で標準化の取り組みが開始され、2008年6月にITU-T勧告G.8032/Y.1344が承認されました。