TsuKuBa 年史-TsuKuBa History -

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最大遅延保証技術 OriHime-Dのナチュラルな操作感を担う通信品質制御技術の実現

2021年(令和3年)

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1.概要
株式会社オリィ研究所が運営する分身ロボットカフェでは、障がいや病気などの理由で外出困難な方がパイロット(ロボット操作者)となり、遠隔から移動型分身ロボットOriHime-Dを操作してお客様にドリンクの提供などを行っています。これまでは操作時の利用する映像のタイムラグにより、細かい操作が難しく、パイロットがストレスを感じていました。アクセスサービスシステム研究所では、ロボットの状況や特性に応じて送信タイミングを制御する最大遅延保証技術により、操作者がタイムラグを感じない低遅延な遠隔ロボット操作環境が提供できることを実証しました。

分身ロボットカフェにおける実証実験 /></p>
<p align=図1 分身ロボットカフェにおける実証実験

2.技術の特徴
OriHime-Dをはじめとするアバターロボットからのカメラ映像を、インターネット等の通信品質が安定しないネットワークを用いて伝送する場合、エンコード/デコード処理やジッタバッファ等のネットワークの品質変動を吸収する機構を具備しなければならないため、映像遅延が増大して体感が劣化してしまうという課題がありました。本課題を解決するために、それぞれのアバターロボットの状況や特性に応じて動的に送信タイミングを制御することにより、複数の映像通信を待ち合わせなく光伝送することが可能となる通信品質制御を実現しました。具体的には、操作を必要とするアバターロボットの映像通信に対しては最大待ち時間が短くなるように送信タイミングを制御し、操作が不要なアバターロボットの映像通信に対しては待ち時間の制約を緩めて送信タイミングを制御してから専用ネットワーク上に多重し、光伝送する構成を実現しました。本技術を用いることで、低遅延な操作が必要なアバターロボットにおいて、映像遅延の主要因であるエンコード/デコード処理の軽量化やジッタバッファの短縮によって超低遅延な映像伝送を提供できるようになりました。

ナチュラルな遠隔操作を実現する通信制御技術

図2 ナチュラルな遠隔操作を実現する通信制御技術

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