通信サービスを支える"見えない挑戦"
-架空構造物総合検証設備とは

目次

実験施設の概要と役割

全国1200万本の電柱、その維持が抱える課題

NTTが保有する電柱は日本全国で約1200万本、ケーブルは約120万km。これらを維持・管理、また劣化に伴う更改工事をしていくことは、莫大な人手・時間・コストが必要です。特に、電柱のたわみは構造劣化の1つであり点検の重要な項目です。また、電柱のたわみを引き起こす要因の1つであるケーブル張力の変化による不平衡を抑制することも重要です。

設備を"1単位ずつ"ではなく"連続体"と捉える

電柱やケーブルは単独で存在しているわけではなく、複数のスパンにわたって連続的に敷設されています。そのため、更改や台風の風などで一部の電柱やケーブルに外部応力や変化が生じると、周囲の電柱やケーブルにも伝搬し、電柱のたわみやケーブル張力などが変化します。設備を連続体として理解することが、電柱の長期安全利用や安全な工事に欠かせません。

施設の特徴・技術的ポイント

実物大設備でリアルな負荷を再現

NTTアクセスサービスシステム研究所では、こうした構造理解のために「架空構造物総合検証設備」を構築しました。この設備では、3台の電柱固定装置(アンバー/ターコイズ/マーキュリー)と2基の反力壁により、電柱やケーブルを実際の環境に近い状態で簡易に構築することができます。

直線も曲線も、傾きも再現可能

固定装置「マーキュリー」はキャタピラでピット内を移動可能。直線線路はもちろん、曲線や90度の引き留め構造まで再現できます。さらに、電柱を最大7度まで傾け、360度回転させることも可能。現実に即した条件での精密な実験を可能にしています。

研究の活用・連携技術

点群データを用いた設備構造状態の可視化

研究所では、電柱やケーブルの構造状態可視化手法も研究しています。例えば、自動車搭載のレーザーによって、電柱の傾きやたわみ、ケーブルの弛度などを計測します。それら計測データと、本設備で得られた物理データを組み合わせることで、より精度の高い構造劣化判定が可能になります。

新たな電柱やケーブルの更改・撤去技術

より効率的な現場工事の実現に向けて、新たな電柱立替手法や重機の操作アシストについても研究開発を行っています。これまでの手法にとらわれず、新たな技術を提案し、設備への影響を考慮して適用性を高めています。

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R&Dアーカイブ記事

この「架空構造物総合検証設備」、実は所内ではSASUKE(サスケ)って呼ばれてるんだよ。

えっ!SASUKEって、もしかして...あの番組が由来!?
確かにあの番組のアスレチックに似ているような...

「SASUKE」は、System for AnalysiS Using wall and pole Keeping Equipment の略称。長い名称を短く、親しみやすくするために名付けたんだよ。

そうなんだ!
このSASUKEくんが、全国の電柱を守るヒーローになるわけか〜!